きれいなワンピースの選び方 ~結婚式やフォーマルシーンのワンピースについて~

初夏に近づきショップではかわいいワンピースが出てくる季節になりましたね。暖かくなってくると友人の結婚式に招待されたり、仕事でも少し格式高い場所での会合やレセプションパーティーなど、装いのマナーを考えなくてはいけないシーンが多くなります。前回に投稿した平服、結婚式の装いのマナーについて①~③とご参考にしてください。

きれいなワンピースとは?
みなさんご存知の通りワンピースにはいろいろなデザイン、パターンがあります。可愛いもの、上品なもの、個性的なもの。服飾造形のおいて、きれいなワンピースと言われるものは造形の基本中の基本の「ナチュラルシルエット」と総称されるワンピースになります。

ナチュラルシルエットとは?

数々の服飾検定の中でアパレル商品知識のシルエットとして初めに紹介されているもので、いわゆる「基準」や「ものさし」とされているシルエットです。上品で女性らしい優雅なラインを表現してくれるものとして位置づけられています。
身体のウエストの位置を最も自然な位置に設定し、ナチュラルショルダー(①)にジャストウエスト(②)洋服を作成するうえで基本になる構成をしているシルエットです。

①ナチュラルショルダー

肩の付け根に縫い目があり、自然な体形をそのままに原型どおりの袖付け線に付けられた袖ぐりで女性らしいなだらかなラインを表現します。「セット・イン・スリーブ」を意味することもあります。上品でもっとも女性らしいショルダーラインです。

②ジャストウエスト

服飾造形でのジャストウエストとはおへその位置を示します。ウエストへオンベルトや切り替えし(縫い合わせた際にできる線や生地を立体的に重ねた構造のこと)などでウエストの位置を表します。ウエストをマークするとも言われます。そのために見た目は腰の位置が高く、下半身(脚)が長いサイズ感になります。

このようにナチュラルショルダーとジャストウエストを取り入れたものにスカート丈をTPOをわきまえたものに合わせることがきれいなワンピースの選び方、着こなし方になります。

余談ですが、スカートはスタイリスト目線から見てとても面白いアイテムの一つです。
服飾造形の考え方ですが「筒」を作る感覚で、簡単に作成できることから学生が入学して初めての作る造形物です。いわゆる初心者の作成物とされているスカートでも、丈の長さだけでいろいろな表情を見せてくれます。例えば、ひざ丈なら可愛らしさ、くるぶし丈なら優雅さ上品さやインパクト、同素材同系色であっても丈の長さだけで印象やTPOの使い方、年代別の着こなし方まで変わってしまう繊細かつダイナミックな変化をもたらすアイテムです。

スカート丈の種類

ニーライン:膝が見える丈の長さ 

女性らしい可愛らしさのスカート丈 20代前半が主流であり、チャーミング、ガーリー、ロマンティックなテイストを感じさせるスカート丈です。フォーマルな場ではマナーとして膝が隠れるものが良いとされますが、夜の準礼装で着用されるカクテルドレスはニーレングス丈にデザインされたものもあります。パーティや結婚式、ゲストハウスウェディングなどのTPOに合わせた選び方をしてください。

ナチュラルレングス:膝が隠れる丈の長さ

スカート丈の中では清楚感を与える丈の長さと言われます。リクルートスーツのタイトスカートや学生服などのプリーツスカートにも使われる丈の長さであり、きちんとした印象も与える丈の長さです。
フォーマル、ビジネス、カジュアルなシーンでも着用可能な汎用性のあるスカート丈です。

ミディ丈:ふくらはぎ中央あたりの長さ

上品さを感じさせる丈。時世のトレント丈でもあり、カジュアルシーンやビジネスシーンに使われるいろいろなシーンで着用される丈の長さです。ただし、ふくらはぎの中央ということもありふっくらと見えすぎることもあります。スタイルカバーには注意してください。気になる方はアシンメトリー(非対称 裾が斜めのもの 右画像)のものを取り入れてみてください。

ミモレ丈:ふくらはぎが隠れるくらいの長さ

準礼装のセミアフタヌーンドレスなどにも施され、女性らしい品格や落ち着いた雰囲気を醸し出すスカート丈です。近年ではニットタイトスカートやドレープ感のあるソフトプリーツスカートなどにスニーカーを合わせる着こなし方がセレブのあいだから発信され、スポーティミックスとしてトレンドとなっているスカート丈です。

マキシ丈:くるぶし丈 フルレングス:脚が隠れる丈

パンツスタイルのオールインワン、ロンパース

それから、パンツスタイルのオールインワン、ロンパース、があります。近年はトレンドなものからベーシックなものになりつつあり、スカートが苦手な方やお仕事の関係で出席などされる場合にはとても場に似合ったアイテムと言えます。

いかがでしたでしょうか?
デザインやディティールによっていろいろな印象を与えてくれるワンピースです。決まり事や装いのルールのむずかしさはありますが、それがファッションの醍醐味でもあり楽しさでもあります。結婚式やフォーマルなシーンへふさわしいワンピースを選ぶことができて、お相手の方と良いお時間につながりますように。

記事の執筆者

武藤 和也

Kazuya Muto

パーソナルスタイリスト匠

某アパレルショップにて個人売り上げ全国トップののちに、パーソナルスタイリストの資格を持ったプロ集団、ファッションレスキューに所属。
総数2000人を超えるスタイリングを行い新宿高島屋常駐や数々の映像企画のスタイリング経験を持つ。
現在は現場にも立ちながら、大学、専門学校の教壇に立ち、スタイリストの育成も行っている。20代~50代の今の時世や流行をふまえた、その世代その人となりの品格を活かすスタイリングを提案する。
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