ビジネスコートの選び方と種類
ビジネススーツにおける代表的なコートについてご紹介します。
代表的な形はこの3種類です。
- ステンカラーコート
- チェスターフィールドコート
- トレンチコート
それ以外のコートに、ピーコート、ダウンコート、キルティングコート、モッズコートなどがありますが、ビジネスに着用するの場合は格式的に下がると言われています。
1、ステンカラーコート
ビジネスシーンに主に使われているコート。
ビジネスマンのマストアイテムと言われています。
後ろの襟が立ち上がり、前に落ちていることから由来しているステンカラーコートは、ラグランスリーブの肩周りでゆったりと着こなせ、丸いシルエットなるのが特徴です。
腰にベルトが付いているものもあり、ベルトを着用した場合はウエストラインが絞られて、やや構築感のある印象になります。
ツーウェイウォール(インナーの取り外しもできるタイプ)も出ていますので、季節を限定せず季節を長く着ることが出来る、汎用性のあるコートです。
また、スーツと同じ素材のコットンギャバジンが多いものや、ポリエステルなどで加工されているものは雨風にとても強いものもあります。
活動的な印象を受け、ほどよい丸いシルエットで柔らかい印象を与えるため、ビジネスシーンでは無難に着こなすことができ汎用性があるアイテムです。使い勝手の良いコートとしてオススメです。
2、チェスターフィールドコート
19世紀にイギリスのチェスターフィールド伯爵が初めて着たことから由来とされていて、正装用に使われる格式高いコート。
アイテム名ではチェスターコートと明記されていますが、正式名称はチェスターフィールドコートです。
近年ではビジネスシーンに着用できるようにデザインされていて、構築感がありスタイリッシュなシルエットと伝統的で格式高いコートです。
ボタンはシングル、ダブルの他に、ボタンが見えないよう作られている比翼仕立てというデザインもあり遊び心をくすぐるデザイン性にも優れているアイテムです。
また着丈が長いため上級者向けでもあります。
着丈が長い理由として、もともとは正装用の燕尾服に合わせるためのコートだったために、膝下10㎝(ふくらはぎにかかるぐらいの長さ)のものを指していました。
近年の流行によって膝上の長さのものや、ビジネス用としても動きやすさを重視したデザインが施されています。
主な素材はウールのものが多く、中にはヘリンボーンの織り目になっているもの、フランネル素材で起毛感のあるものがあり、温かみのある印象と、構築性でスタイリッシュさを感じさせるコートです。
3、トレンチコート
肩に付いているエポーレット、ダブルボタン、ベルト、防水加工を施されていることが特徴のトレンチコートです。
バーバリー、アクアスキュータムが製造の元祖とされているのも有名です。
もともとは第一次世界大戦の軍用コートとして開発されたことから、肩、ウエスト周りのメリハリがある構築性と、軍服や正服にも似たきちんとした誠実さや強さを醸し出し、同時に活動的な印象を与えます。
ベルトを背中で結んでボタンを開けてスタイリッシュに着こなすことができたり、ツーウェイオール(インナーの取り外しもできるタイプ)になっており、薄手の春物コートとしても着られるようにデザインされています。
そのため春、秋、冬の防寒着として季節感に合わせた着こなしができ、いろんな顔を見せてくれるのもトレンチコートの特徴です。
その他のビジネスシーンで活躍しているコートと言えば、
4、スタンドカラーコート
名前の通り、立ち襟のデザインを持つコートのことで、ビジネスシーンでもふだん着としても使えるアイテムと言われています。
メンズコートの場合はヒップが隠れるくらいでジャケット丈より少し長いタイプのものや、レディースコートの場合は、ラップコートのデザインに似たものをスタンドカラーと組み合わせて仕立てたようなものあります。
シャープでスタイリッシュな印象のコートです。
5、ラップコート
日本ではあまりビジネスシーンでなじみのないコートではありますが、非常に優雅で上品な品格を演出してくれるコートです。
特徴は、ボタンやファスナーなどを用いずに体に巻きつけるように前を深く打ち合わせてベルト等で結んで着用します。
着るというよりも羽織るというような余裕さを感じさせる大人なアイテムと言われています。
ビジネススタイルに応じたコート選びの参考になりましたか?
防寒対策だけでは済まされないビジネスシーンでの取り入れかたや、ご自身の演出や印象のつくり方、洋服の意味も踏まえてTPOをわきまえた着こなしのご参考にしてください。
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記事の執筆者
武藤 和也:日本初の男性パーソナルスタイリスト
某アパレルショップにて個人売り上げ全国トップののちに
パーソナルスタイリストの資格を持ったプロ集団、ファッションレスキューに所属
総数2500人を超えるスタイリングを行い新宿高島屋常駐や数々の映像企画のスタイリング経験を持つ
現在は現場にも立ちながら、大学、専門学校の教壇に立ち、スタイリストの育成も行っている
20代~50代の今の時世や流行をふまえた、その世代その人となりの品格を活かすスタイリングを提案する